2026年10月15日(木)、アクトシティ浜松 展示イベントホールで「第3回ハマロボ展2026」が始まりました。主催は浜松商工会議所 浜松ロボット産業創成研究会です。
名倉IT経営研究所/中小企業診断士事務所の代表・名倉真史は、会場の「相談会コーナー(スマートものづくり支援デスク)」で相談員を務めました。ロボットやAIを自社の業務に活用できるか、何から始めればよいか、という相談に対応する役です。当事務所は主催者ではありません。
この記事では、相談の合間に会場で見た展示と出展者の説明に、公開情報の調査を加えて、静岡県西部の中小企業が自社の仕事に引き寄せて確かめたい点を整理します。

写真:相談員を務めた「相談会コーナー(スマートものづくり支援デスク)」(筆者撮影)
初日に見えたこと
会場の目玉は、ヒューマノイド(人型ロボット)とフィジカルAIでした。一方で、すぐに現場で使えそうだと感じたのは、運ぶ、刈る、支える、削るといった、つらい仕事を一つに絞って引き受けるロボットです。そのいくつかは、作り手自身の現場の困りごとから生まれていました。
| 分野 | 出展者 | 見た展示 | 中小企業にとっての意味 |
|---|---|---|---|
| 人型ロボット・AI | ダイドー株式会社(ファナック株式会社) | 人型ロボット AGIBOT X2 のダンス、AIの使い方を比べたパネル | 現時点では研究・評価の段階。AIは「見て、知らせる」使い方から始められる |
| 運ぶ | スズキ株式会社 | 多目的電動台車 MITRA、試走路でのデモ | 足回りを共通化し、現場に合わせた搬送ロボットをつくりやすくする |
| 刈る | 株式会社えなみ農園 | RC草刈りロボット KINO-X 600 | 果樹園・傾斜地の草刈りの負担と危険を減らす |
| 支える | マザーサンユタカ技研株式会社 | アシストスーツ BELT POWER X | 重い物を扱う作業の負担を、電気を使わずに減らす |
| 削る | TAFLINK | バリ取りから研削・研磨までのロボットシステム、職人ロボット | 技能に頼る仕上げ工程を、ロボットに引き受けさせる |
TAFLINKのブースのテーブルクロスには「人を減らす自動化から人を活かす自動化へ」とありました。初日の会場をよく表した言葉だと考えています。
1.人型ロボットとフィジカルAI:研究・評価の段階

写真:ダンスを披露する人型ロボット AGIBOT X2(ダイドー株式会社のブースで、筆者が撮った動画から切り出し)
人型ロボットの説明員の方によると、現在は研究用として買われることが多く、価格は1000万円ほど。重い物を持たせると、バランスを崩して転ぶとのことでした。ブースのパネルにあった X2 Ultra の仕様でも、手に持てる重さは「3kg(特定姿勢)、1kg(全範囲)」です。メーカーの AGIBOT(中国・上海)は、X2 を公演・案内・ロボット開発向けの小型機と位置づけています(AGIBOT公式ストア)。
| 確かめたこと | 公開情報 | 出典 |
|---|---|---|
| 研究用が中心か | 2026年上半期の世界の人型ロボットの出荷のうち、約7割が研究・教育、展示・公演、データ収集の用途(IDCの分析) | Business Insider Japan, 2026年10月13日 |
| 価格 | X2 は中国での発売時、構成により10万〜40万元。廉価版の X2 Neo は公式ストアで2万5,600ドル、上位版は要見積もり(いずれも2026年10月時点の表示・報道) | 界面新聞, 2025年5月、AGIBOT公式ストア |
| 重い物で転ぶ理由 | 二足歩行は、重さと動きの勢いを合わせた力が床を押す点(ZMP)を足の裏の範囲に保って立つ。体の前で重い物を持つとその点が足先に寄り、倒れやすくなる | Honda ASIMOの解説 |
| 市場の予測 | ゴールドマン・サックスは2035年に380億ドル(2024年の予測)。Interact Analysis は本格的な商業化の転換点を2032年以降とみる | Goldman Sachs, 2024年2月27日、Interact Analysis, 2026年6月 |

写真:ルールベースの制御とAIベースの制御を比べたパネル(同じブースで筆者撮影)
パネルは、ロボットを動かすAIを2つに分けていました。
| 種類 | できること | 製造業での使い道(パネルの記載) | 将来性(パネルの記載) |
|---|---|---|---|
| VLM(Vision Language Model) | 画像と言葉を理解し、「何が起きているか」を説明する | 異常の報告、外観検査、分類 | 部分的活用段階 |
| VLA(Vision Language Action) | 画像と言葉を理解し、「何をどうするか」まで動作で実行する | ピック&プレース、組立、開梱作業 | 本格活用の本命 |
公開情報で見ても、工場で実用になっているのはカメラとAIで「見る・判断する」部分(ばら積み部品の取り出し、外観検査など)で、AIに手先の動作まで任せるVLAは、国内の大手メーカーがデモを始めた段階です。言葉で状況を説明できるVLMを検査や異常の報告に使うのは、これから広がる新しい使い方です。国の「AIロボティクス戦略」も、人の指のような細かい作業を2030年ごろ以降の課題としています。
確かめたいこと:
- 持てる重さ、続けて動ける時間、転倒したときの安全対策
- 研究・評価用として買う場合、何を確かめるために使うのか
- AIで「見て、知らせる」部分を先に使えないか(外観検査、異常の通知)
2.運ぶ:電動車いすの足回りを、ロボットの「足」に

写真:スズキのブース(筆者撮影。人の顔はぼかしています)
スズキの多目的電動台車「MITRA」について、公式の出展案内は「電動車いすの車台をロボットの足として活用し、各社のロボティクス技術を現場実装へつなぐ」と説明しています。ブースには木の段差や斜面を作り込んだ試走路があり、台車が走っていました。出展のカテゴリーには、搬送用ロボットと並べて農業ロボットや建設ロボットも挙げられています。

写真:試走路を走る台車(筆者が撮った動画から切り出し)
| 項目 | 公開情報 | 出典 |
|---|---|---|
| ねらい | 自律移動やAIを手がけるロボットメーカーに提供し、開発の費用と技術の難しさを減らして現場導入を早める。物流・農業・土木などの課題解決を想定 | スズキ, 2026年10月5日 |
| 仕様 | 100kg積載で登坂・降坂8度、連続走行30km(試験条件)、標準はラジコン操作。自律走行は各社が用意するか、スズキが紹介 | スズキ MITRA 製品ページ |
| 提供の状況 | 販売前の試作機で、価格と納期は未確定。約70社が実証し、2026年度の事業化が目標(報道) | 同上、ニュースイッチ, 2026年4月11日 |
| 会場の活用例 | ピムト(移動しながら無人で販売)、ヤマステック(アタッチメントの付け替え)、パナソニック アドバンストテクノロジー(自律移動ソフト「@mobi」)、Doog(追従・操縦のアタッチメント)の4社 | スズキ, 2026年10月5日 |
試走路の台車の前面には「@mobi」のラベルがありました。パナソニック アドバンストテクノロジーの自律移動ソフトの名前で、スズキの特設サイトは MITRA に自律走行を組み合わせた例として紹介しています(スズキ MITRA 特設サイト「@mobi」)。足回りはスズキ、頭脳は別の会社、という分担が形になっていました。
工場内の搬送に加えて、農業での運搬にも使えそうだと感じました。背景には担い手の急速な減少があります。
| 項目 | 公開情報 | 出典 |
|---|---|---|
| 基幹的農業従事者(全国) | 2025年に103万6千人。2000年の半分以下。平均年齢67.7歳 | 農林水産省「食料・農業・農村白書」 |
| 基幹的農業従事者(静岡県) | 2万8,413人。5年前より26.6%減。平均年齢68.70歳 | 静岡県「2025年農林業センサス(確定値)」 |
| みかんの運搬の負担 | 静岡県のウンシュウミカンは、10aあたり197時間のうち80時間が収穫・運搬(2016年の県の資料による) | 山崎ほか(2023年) |
| 地元の先例 | 浜松市三ヶ日で2020年、県の研究所と民間企業が開発した追従・自動走行の運搬ロボット(耐荷重200kg、傾斜20度まで)を農家に貸し出して検証 | JAみっかび, 2020年2月21日 |
公開仕様の8度は、急なみかん園の斜面よりずっと緩い坂です。平らな茶園や施設園芸の通路、工場の建屋の間など、条件の合う場所から試すのが現実的だと考えます。
確かめたいこと:
- 載せられる重さ、段差・傾斜・屋外の路面での走行
- 自動走行や追従、遠隔操作は、どの会社のどの仕組みで実現するのか
- 自社の技術(治具、制御、センサー)を載せる余地があるか
3.刈る:農家が設計した草刈りロボット

写真:えなみ農園の KINO-X600(筆者撮影)
浜松市浜名区の株式会社えなみ農園の「KINO-X600」は、果樹の枝の下(高さ500mmほど)を刈れる草刈機がなかったことから開発された、ラジコン(遠隔操作)の草刈りロボットです。パネルによると、車高400mm、全長954mm、刈幅600mm、車幅830mm、電池5.1kWh、最大40度の傾斜に対応します。傾斜地でも安定した走行制御、上り下りでの一定速度制御、音声ガイダンスによる安全支援を載せ、「ロボットへ前進しました」としていました。
同社の会社案内によると、代表は自動車メーカーでパワートレイン(動力系)やハイブリッド車の開発に携わってきた技術者で、2016年から浜名区で4.5haのみかん山を営んでいます(えなみ農園 会社案内)。2025年に承認された静岡県の経営革新計画は、市販のリモコン草刈機の課題として、多くは車高が高く低く仕立てたみかんの葉の下の根元に入って刈るのが難しいこと、急斜面を等高線に沿って走ると傾きや凹凸で横転すること、電動モーターの機種は急斜面を登る力が乏しいことを挙げています(静岡県商工会連合会 経営革新計画)。報道によると、自社で生産し、2026年中の発売を目指しています(静岡新聞, 2026年5月12日)。価格は公表されていません。
| 項目 | 公開情報 | 出典 |
|---|---|---|
| 草刈りの負担 | 静岡のみかんは、10aあたり年221時間のうち除草・防除が44時間(約2割)。2007年ごろの国の資料 | 農林水産省「みかん 生産コストの現状」 |
| 事故 | 2024年の農作業死亡事故は287人。うち熱中症59人、草刈機7人(草刈機のうち3人は機械の転落・転倒) | 農林水産省, 2026年2月26日公表 |
| 効果は場所で違う | リモコン草刈機の実証で、ユズ園では年間の草刈り時間が45%減った一方、樹の間が狭い急傾斜のみかん園では3〜7%の短縮にとどまった(速さと力の不足) | 中国四国農政局 実証、和歌山県果樹試験場 |
| 価格帯 | 国のカタログでは、リモコン草刈機の価格帯の目安は50万〜500万円 | 農林水産省 スマート農業技術カタログ「リモコン草刈機」 |
| 草刈りと運搬の兼用 | 電動リモコン作業機「スマモ」(ササキコーポレーション)が、りんごの産地で草刈機と運搬車を兼ねて導入された例がある | 同上 |
既存の機械で効果が出にくかった「低い樹の下」「急な斜面」を狙った設計だと読めます。離れた日陰から操作できることは、作業時間の短縮より先に、暑さと斜面の危険を減らす価値があると考えます。
確かめたいこと:
- 自社の園地・敷地の傾斜、木の下の高さ、作業の時間
- 草刈りのほかに、運搬などに使えるか
- 価格、試用の可否、修理の体制
4.支える:電気を使わないアシストスーツ

写真:マザーサンユタカ技研のアシストスーツの展示(筆者撮影)
マザーサンユタカ技研株式会社(浜松市中央区。旧ユタカ技研)の「BELT POWER X」は、腕と腰を支えるアシストスーツです。パンフレットには「自社工場の困りごとから生まれ、本気で作ったアシストスーツ」「軽く、簡単着脱」「電力不要」とあります。
| 項目 | 公開情報 | 出典 |
|---|---|---|
| 仕組み | ベストに仕込んだベルトで、荷物を持つ腕の重さを体全体へ逃がす。ロックは自動車のシートベルトのような機構で、電池は使わない。本体2kg、最大保持力30kgf | 製品ページ、ユタカ技研 ニュース, 2025年1月6日 |
| メーカーの測定 | 20kgの荷物を持っている間、上腕二頭筋と僧帽筋の負荷が50%以上低減(被験者数などの記載はなく、第三者の評価ではない) | ユタカ技研 ニュース, 2025年1月6日 |
| 腰痛の多さ | 2024年の休業4日以上の業務上疾病は、新型コロナを除き1万963人。うち腰痛が6,291人(6割近く) | 厚生労働省「業務上疾病発生状況等調査」 |
| 効く作業・効かない作業 | 持ち上げ・前かがみでの保持・腕を上げる作業で筋肉の負担が減る。熊本県の試験では、腰用7機種すべてが持ち上げで効いた一方、歩いて運ぶ作業ではどれも効果がなかった | 熊本県 農業研究成果情報, 2023年6月 |
| 定着の難しさ | 建設現場での国の実証に参加した11社のうち10社が、その後は使っていなかった。理由は、使える作業が限られる、夏は着にくい、会社が着用を強制できない | 国土交通省, 2024年2月14日 |
| 補助制度の例 | 60歳以上の労働者を雇う中小企業向けの「エイジフレンドリー補助金」は、対象の例に「重筋作業を補助するアシストスーツの導入」を挙げる(令和8年度は補助率1/2・上限100万円、申請は11月20日まで。交付決定の前に買うと対象外) | 令和8年度エイジフレンドリー補助金のご案内 |
台車や作業台の高さを先に見直し、それでも残る力仕事を一つに絞って、使う本人が試して選ぶ。アシストスーツは、そういう順番で入れる道具だと考えます。
確かめたいこと:
- 対象の作業(持ち上げ、中腰、腕を上げる作業)で、どれだけ楽になるか
- 着脱の手間、暑さ、動きにくさ。一日着て続けられるか
- 試用の期間と、サイズの合わせ方
5.削る:バリ取りは、多くの製造業に共通する課題

写真:TAFLINKのブース(筆者撮影。人の顔はぼかしています)
TAFLINKは、浜松市の株式会社東洋鐵工所、株式会社アラキエンジニアリング、藤本工業株式会社の3社が組んだ「バリ取り問題解決チーム」です。公式の出展案内には、ロボットが製品を持ってバリ取りから研削・研磨までを続けて行うシステム(安川電機の産業用ロボット)と、ロボットが工具を持って作業する「職人ロボット」(ファナックの協働ロボット)が載っています。出展42社のうち、バリ取りや研磨を掲げていたのは TAFLINK だけでした。
バリ取りは、加工した部品のふちに残る小さな出っ張りを取り除く仕事で、ダイカスト・鋳造・切削・板金など多くの加工で生じます。
| 課題 | 公開情報 | 出典 |
|---|---|---|
| 自動化が遅れている | ダイカスト製品は「金型鋳造からトリミングまでの自動化は進んでいるものの、バリ取りや表面研磨といった仕上げ工程は自動化が進んでいない」。原因は形の複雑さとバリの不ぞろい | 茨城県産業技術イノベーションセンター 研究報告(平成29年度) |
| 作業環境 | 動力による金属の研磨・ばり取りは、法令上の粉じん作業。サンダーや研削盤は振動障害の予防対策の対象工具 | 粉じん障害防止規則、厚生労働省 振動障害予防対策指針 |
| コストが見えにくい | 工程全体に占める割合を示す日本の公的統計は見当たらない。米国の研究者は、多くの工場がバリ取りコストを十分に把握していないと指摘 | SME, 2018年5月3日 |
| 地域の事例 | TAFLINKは2013年ごろから共同開発し、2017年に初号機をバリ取り業の藤本工業へ導入、2020年に「バリトリガー」を市場投入。藤本工業は労働生産性が大幅に上昇し、採用でも若者や女性の応募が来るようになった | 中小企業白書2026 事例2-2-4(Ⅱ-52) |
テーブルクロスの「人を減らす自動化から人を活かす自動化へ」は、TAFLINKが国際ロボット展2025で掲げたキャッチフレーズです。今回のハマロボ展のテーマは「ロボットを道具のように使う」で、「ロボットを導入することが、私たちの目的ではありません。ロボットを現場で使いこなし、人手不足や作業者の負担、品質のばらつき、熟練技能の継承といった課題を解決することが、本当の目的です」としています(TAFLINK, 2026年9月22日)。
確かめたいこと:
- 1個あたりのバリ取り時間、人数、手直しの率、砥石・刃物などの消耗品費(まず1〜2週間測る)
- 対象の部品の材質・形・バリの大きさと、そのばらつき。現物でテスト加工できるか
- 製品を持たせるか、工具を持たせるか。品種が変わったときの段取り替えと治具
- 熟練者の判断(当てる場所・角度・力)を、どうロボットの動きに移すか。教える人を社内で誰にするか
- 集じん・騒音・安全柵まで含めた設備の費用
市場の見通し
国の計画も、先に実装するのは「運ぶ・見回る・加工する」仕事です。政府の「AIロボティクス戦略」(2026年3月26日決定)は、2040年までに国内へAIロボットを1,000万台規模で導入する目標を掲げ、短期に先行させる作業として、点検、搬送、清掃、入出荷・パレタイズ、ハンドリング、溶接・塗装・加工の8つを挙げています。人の指のような細かい作業や、移動と物の操作の高度な組み合わせは、2030年ごろ以降の中長期の課題とされています。
| 項目 | 数字・内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 世界の産業用ロボットの導入(2025年) | 60万3,000台(前年比11%増)。日本は3万6,219台(同19%減)で、米国に次ぐ3位 | 国際ロボット連盟(IFR)、2026年9月24日の会長報告と発表 |
| 国の目標 | 2040年までに国内へAIロボットを1,000万台規模で導入 | 内閣官房「AIロボティクス戦略 概要」 |
| 製造業の就業者 | 1,202万人(2002年)から1,033万人(2025年)へ | 2026年版ものづくり白書 概要 |
| 静岡県の最低賃金 | 1,154円(2026年10月15日から、57円の引き上げ) | 静岡労働局 |
分野ごとの予測もあります。ただし、調査会社によって対象と定義が違うため、数字どうしを比べることはできません。
| 分野 | 予測 | 出典 |
|---|---|---|
| 人型ロボット(世界) | 市場は2035年に380億ドル(2024年の予測)。一方、本格的な商業化の転換点は2032年以降とする見方もある | Goldman Sachs, 2024年2月27日、Interact Analysis, 2026年6月 |
| 搬送ロボット AGV・AMR(世界の出荷台数) | 2025年の28万6,235台(見込み)から、2030年に138万1,088台へ。需要の約8割は製造業 | 矢野経済研究所, 2025年12月23日 |
| スマート農業(国内) | 2025年度の455億円(見込み)から、2031年度に969億円へ。農機などの機械本体は含まない定義 | 矢野経済研究所, 2026年4月24日 |
| ロボットによる切断・バリ取り・仕上げ(世界) | 2025年の34億8,000万ドルから、2030年に62億ドルへ(年平均12.2%) | The Business Research Company, 2026年1月(日本語の紹介ページ) |
| アシストスーツ(国内) | 2021年度に22億4,900万円(見込み、メーカー出荷金額、前年度比132.0%)。これより新しい公表値は見当たらない | 矢野経済研究所, 2021年8月24日 |
静岡県西部の中小企業での活用アイデア
会場で見た展示と、調べた公開情報から考えた使い方の例です。どれも当事務所の提案で、効果を保証するものではありません。
| 業種・場面 | 困りごと | 候補 | 最初に確かめること |
|---|---|---|---|
| みかん農家(浜名湖周辺などの傾斜地) | 枝の下の草刈り、夏の暑さ、収穫物の運搬 | 低い車高のリモコン草刈機、人の後をついて走る運搬台車 | 園地の傾斜(度)、木の下の高さ、1回に運ぶ重さ |
| 茶農家 | 摘んだ生葉や肥料、敷き草の運搬 | 運搬台車と追従のアタッチメント | 畝の間の幅、傾斜、運ぶ量。茶株の下の草刈りより、法面や農道の路肩が先 |
| 施設園芸(ハウス) | 収穫物・資材の運搬、見回り | 決まった経路を走る台車、温湿度のセンサーを載せた見回り | 通路の幅と床、データの記録先(Excel・kintone など) |
| 製造業(ダイカスト・鋳造・切削・板金) | 手作業のバリ取り、粉じんと振動、技能の継承 | バリ取りロボット(製品を持たせる型、工具を持たせる型) | 1個あたりの時間と手直しの率を1〜2週間測り、現物でテスト加工 |
| 製造業・物流(屋外の構内) | 建屋の間の部品運び(雨、段差、未舗装) | 屋外向けの台車と自律走行ソフト | 経路の段差と勾配、1回の重さ、人と分ける区画 |
| 製造業・物流・農業・介護 | 重い物の持ち上げ、中腰の作業 | 電気を使わないアシストスーツ | 対象の作業、着脱の時間、暑さ、試用の期間 |
| 工場や太陽光発電所の敷地 | 緑地・法面・パネルの下の除草(外注費) | 低い車高のリモコン草刈機 | 面積、傾斜、障害物、パネルの下の高さ |
| 製造業の検査 | 目視の検査が一人に集中 | カメラとAIで「見て、知らせる」 | 不良の種類と見本、照明、見逃しと過検出の扱い |
導入を考えるときの進め方
- 重い、危ない、汚れる、一人に集中している仕事を書き出す
- その中から一つを選び、重さ・距離・回数・傾斜・材質などの条件を測る
- 展示会、メーカーの試用、テスト加工で、その条件のまま試す
- 本体の価格だけでなく、周辺設備、立ち上げ、教育、保守、止まったときの対応まで確かめる
- 入れる前に、ロボットに教える人、止まったときに直す人、仕上がりの合否を決める人を社内で決める
- 補助制度を使う場合は、対象と要件を最新の公募要領で確かめる(制度は年度ごとに変わります)
自動化で作業の人手が減ること自体は、国の資料も多くの事例も目的に掲げています。TAFLINKの「人を活かす自動化」は、その順番の話だと当事務所は考えます。教える人・直す人・合否を決める人を先に決め、その人たちが判断に時間を使えるようにすることです。
たとえば浜松市の「産業用ロボット導入支援事業費補助金」は、市内の中小企業が市内の事業所で、製造・梱包・仕分などの工程に産業用ロボットを入れる事業に対し、経費の2分の1以内(上限500万円)を補助するものです。令和8年度の三次募集は、10月30日(金)15時が締切と案内されています(浜松市, 2026年8月3日更新。2026年10月15日に確認)。対象になるかどうかは、事業の内容と会社の条件によって変わります。
2日目(10月16日)について

写真:アクトシティ浜松の前のハマロボ展ののぼり(筆者撮影。人の顔はぼかしています)
ハマロボ展2026は、16日(金)も10:00〜17:00に開かれています。入場は無料です。セミナーは全10回のうち7回が、15日夜の時点で公式サイトに「満席」と表示されていました。出展内容や受付の状況は、主催者の公式サイトで確認できます。名倉は16日も相談会コーナーで相談員を務めます。
※2026年10月15日時点の公開情報と、会場で見聞きしたことをもとに書いています。写真はすべて筆者が撮影し、人の顔はぼかしています。
参考にした情報
※サムネイルは生成AIで作成したイメージイラストです。本文の会場写真は筆者による実写です。